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「中野のひと」インタビューVol.8 〜 吉田 孝弥さん

好きなように生きていれば、たいがいのことは気にならない、なんてことはない。
それでも僕は、気にしていないかのように、好きに生きていきたい。

吉田 孝弥さん

『「中野のひと」ポートレイト2019』について

中野区生まれ、中野区育ち。家業の塗装業を手伝いながら、ポップなカラーリングの彫刻作品や、劇画調の似顔絵を制作する吉田さん。幼いころから絵を描いたり、粘土で人形をつくったりと"つくること"が好きだったそうだ。

「小学生のころ、勉強も運動も成績はいたって普通だったんです。でも、ものづくりに関しては簡単に褒めてもらえた。ならば自分の得意なところを伸ばそうと思い、つくることを始めたんです。だから何かきっかけがあったわけではないんですよね」

高校では油絵を専攻していたが、自宅で自主的に制作していた立体の方が手応えを感じていたため、大学は彫刻を専攻。

「つくることはもちろんですが、なにより人が好きなので、作品を、自分をアピールするためのツールとしても捉えています。形を見せることが魅力である彫刻で、ぼくがネオンカラー(蛍光色)などのポップな色を使っているのは、人とコミュニケーションを取るためでもあるんです」

大学の卒業制作では「同じ場所に長くいるとその場所が自分自身になる。」というタイトルの、縦2.5m、横3m半ほどの彫刻作品を制作。このタイトルは映画『ロッキー・ザ・ファイナル』で主人公のロッキーがぼそっとつぶやいた台詞を引用したもので、自分自身にも通ずる、と吉田さん。

「この卒業制作もしかりですが、ぼくの作品には、自分が住んでいる街や今まで出会った人々が投影されています。だから中野は自分自身であり、拠点だなと思うんです。もし中野に住んでいなかったら、こういった作品は生まれていないだろうなと思いますね」

現在はアーティストとして活動するも、そもそも創作の原点はビジネスのためではないため、今後のことは度々悩むそう。

「儲けるためにやっているわけではないので、商業的になるのはイヤだなと思うのですが、お金が入らなければ生活も難しいですし、次の作品の制作や発表ができない。それで、じゃあ売ることを目的にした作品をつくるとなったとしても、確実に売れるという保証はない。25歳を超えて社会人としての責任も出てきたからこそ、このままでいいのかと悩むんです」

知り合いのアーティストや作家が、創作活動をやめてしまったり、逆に人気が出て売れたりするのを見て、弱気になってしまうこともあるそうだ。それでも、自分で自分を奮い立たせ、創作活動を続ける吉田さん。原動力はどこからきているのだろうか。

「小さいころに味わった、"褒められたときの感動"をもう一度味わいたいんです。歳を重ねるごとにまわりの目が気になることが増えていくと思いますが、堂々とアーティストとして振る舞い、生きること、つくることに集中していきたいなと思います」

吉田 孝弥

中野区生まれの彫刻家。粘土等の素材を用いて作品を制作。ビビッドな配色の彫刻作品や、誰でも強く!!!首太く!!!描く「劇画似顔絵」の活動も行っている。

吉田孝弥さんポートレート

「中野のひと」インタビュー
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